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大林太良文庫目録

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故・大林太良先生の蔵書26,762点の目録が、昨2012年12月、
東海大学付属図書館で完成し、オンラインで公開されています。
http://www.scc.u-tokai.ac.jp/library/oobayasibunko/

秋道智彌先生から先日、教えていただきました。
和漢洋書・雑誌・抜刷が含まれ、全文検索もできるすぐれた目録です。

なお、大林先生の蔵書の一部は国立民族学博物館に入り、
大林文庫として収められています。こちらは一般のOPACで検索可能です。
http://rnavi.ndl.go.jp/asia/entry/029.php
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category読書会・勉強会

前期の勉強会終了

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一昨日をもって、古アイルランド語勉強会、今年度前期の部を終えました。
全58課のうち25課まで来たところです。まだ半分にも到達していない・・・。
しかし、ケルト神話の雰囲気を感じつつ、楽しみながら続けていきます。

使用している教科書はDavid Stifter氏のSengoídelc(2006)です。

シュティフター氏は2011年以来ダブリン近郊のNational University of Ireland
で教授を務め、本書は世界的に教科書として好評を得ている模様です。
http://seanghaeilge.nuim.ie/staff.shtml

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11以上の数え方 つづき

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先日、古アイルランド語勉強会の話題からはみ出して、数詞のことを書きました。
http://buoneverita.blog89.fc2.com/blog-entry-157.html

その後すこしだけ、自分なりに調べてみました。参照したのは、

・泉井久之助 1978
 『印欧語における数の現象』東京:大修館書店

・Greenberg, Joseph H. 1978.
 Generalizations about Numeral Systems.
 In: Greenberg, Joseph H. (ed.), Word Structure.
 (Universals of Human Language; Vol. 3): 249–295.
 Stanford: Stanford University Press.

これまで、その訳業や研究の一端から親しみを感じてきた、
泉井やグリーンバーグが、数詞についても書いているというのは、
初めて知りました。こういう発見は、少し嬉しいものです。

ただ、どちらにも関連情報は少し出ていますが(泉井: 201頁、
Greenberg: pp. 272–273)、私の知りたい核心には触れていません。

残念です。James R. Hurfordという人の数詞研究に、その辺のことが
出ているのかもしれませんが、今は深入りしないつもりです。
こうした現実逃避的な暇つぶしは、ほどほどに済ますべきでしょう。

なお、前の記事で「おおむかしの人間は」などと過度の一般論にしてしまいました。
アイヌ語のことが頭にあったからですが、やはり、インド・ヨーロッパ諸語における
数詞の変遷、ということにまずは限定して、考えるのが手順でしょう。
十進法以外の数え方も、世界にはいろいろあるからです。
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11以上の数え方 おぼえがき

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古アイルランド語を勉強して、基数のところまで来ました。
面白いのが、11以上の数え方。
「12日」は“dá lae deac”つまり「2・日・10」、
「13夜」は“téoir aidchi deac”つまり「3・夜・10」などと言います。
これは11〜19、21〜29、31〜39・・・など全てに適用されます。

以前に、アイヌ語で同様の数え方を学んだのを想起しました。
「11匹の猫」は“sine cape ikasma wan cape”つまり
「1・猫・余り・10・猫」と言うのです。
そしてこれもやはり、同様に適用されるようです。

こんなふうに、数で名詞を挟むのとは少し違いますが、
ドイツ語でも21〜29、31〜39、41〜49・・・は独特です。
21なら“einundzwanzig”つまり「1・と・20」。
電話番号もこんな具合に言われるので、何度往生したことか・・・。

いや待てよ。英語の場合だって、13から19は、「3・10」(thirteen)、
「4・10」(fourteen)・・・といった構造になっているではないか。
手許の辞書によれば、elevenは「1・余り・(10)」、twelveは「2・余り・(10)」
が語源だそうなので、11から19までは基本的に同じ構造です。
そして同じことはドイツ語の11から19にも当てはまる。

そこまで考えて、内林政夫『数の民族誌』(八坂書房、1999)という本を
書棚から引っ張り出すと、関連することがいろいろ出ています。

たとえばシェイクスピアの英語では、まだ21を言うとき、
“one and twenty”と“twenty-one”を併用しているとのこと。

ここで、素人なりに仮説を立ててみます。
こうした数え方(「一の位前置」法と仮に命名)は、
どうも古い数え方であって、それがだんだんと「一の位後置」法に
置き換えられていったのではないか? 

さしあたり、インド・ヨーロッパ系の他の言語を調べてみることにしました。

まずロマンス系から。
フランス語では、11(onze)から16(seize)は「一の位前置」。
17から19および21以降は「一の位後置」。
この両者の逆転が、イタリア語でもフランス語同様17で起きるのに対し、
スペイン語・ポルトガル語では16で起きる(上掲・内林著39頁)。

ロマンス系言語の祖先、ラテン語では、
11から17までが「一の位前置」。
ところが18と19は独特で、それぞれ「20-2」、「20-1」。
そして21から後はずっと「一の位後置」。

なるほど。仏・伊・西・葡語はこの伝統を引きずってるわけかな・・・。

ギリシャ語の場合、
11から19までは一貫して「一の位前置」。
ところが21になると揺れ出して、「1・と・20」、
「20・と・1」、「20・1」の3種類が出ています。
(田中美知太郎/松平千秋『ギリシア語入門』
改訂版、岩波書店、1962、205頁)

そうか、シェイクスピアの表記の揺れや、
ドイツ語のあの電話口での苦闘の原因は、ここにあったのか、
などと思いつつも、さらにさかのぼってみることにしました。

お向かいのインド学・仏教史研究室で、
サンスクリットの数詞を教えてもらったところ、なんと既に、
11から18は「一の位前置」なのに、
19は「9・10」と「20-1」が混用されています。
後者の表現は29(30-1)、39(40-1)などにも見られるようですが、
基本的には21〜29、31〜39、41〜49・・・も「一の位前置」。

おまけでロシア語では、
11から19は「一の位前置」、
21〜29、31〜39、41〜49・・・などは「一の位後置」で統一。

ここからは全くの想像です。
おおむかしの人間は、両手の指の総数である10を一まとめにし、
それ以上の数がある時は、「○個・余ることの・○まとめ」、と表したのでは?
それが「一の位前置」法の数え方なのでは?

仮にそうとすれば、上記諸言語を、古い特徴を残す順に単純に並べるなら、
・アイヌ語・古アイルランド語、
・サンスクリット、
・ドイツ語、
・ギリシャ語、
・ロシア語、現代英語、
・ラテン語、仏・伊・西・葡語、
といった感じでしょうか。

こんな議論は、言語学の専門家がとっくに、きちんとされていることと
思いますが、門外漢にとっても興味のつきないところです。
先行研究などご存じの方に、ぜひ教えていただきたいものです。
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